IDEA
入居者に、多様なスタッフに優しい部屋のサイン
Writer:Yuko Shibata
以前、「ことととぶき」でもご紹介した、長与駅に誕生した地域拠点カフェ「GOOOOOOOD STATION」。このカフェを運営するのは、長崎県長崎市の社会福祉法人「ながよ光彩会」です。同法人は、障害者をはじめとする多様な背景を持つ人々をプロジェクトに積極的に取り込み、共生する中で立ちはだかる様々な壁を取り払う挑戦を続けています。 今回は、「ながよ光彩会」が取り組む外国人労働者や障害者への配慮と工夫をご紹介します。これらの取り組みは、地域社会における多様性を尊重し、すべての人々が安心して活躍できる環境を作り出す重要な一歩となっています。
名前と動物セットで伝わる表札
特別養護老人ホーム「かがやき」は、入居される殆どの方が車椅子で生活されています。画像にある部屋のサインの他、トイレやお風呂などのサインの高さは110cm。この高さが、車椅子の方でも、子どもでも、大人でもストレスなく視認できる高さなのです。
また、表札はお名前だけではなくイラストや、折り紙などと共に掲示されることで、入居者にも、外国人スタッフや、特別支援学校卒業後に仲間になってくれたスタッフ「誰もがわかりやすい」よう工夫しています。(投稿者:貞松徹)
〜編集部より〜
少子高齢化が急速に進む日本において、介護分野での外国人労働者の受け入れは、社会が直面する喫緊の課題となっています。この工夫においては、「中村さんのお部屋」ではなく「へびのお部屋」といった形で伝えることで、名前を記憶するだけでなく視覚的な認識も可能となります。この仕組みは、特に外国人労働者や認知の助けが必要なスタッフにとって大変有用です。日本には「中村」や「吉村」のような、外国人には理解しづらい名前が多く存在しますが、こうした視覚的補助により「わかりにくさ」が解消され、誤解やミスが減少する効果も生まれています。この取り組みは、名前という文化的なハードルをクリアするだけでなく、働く人々が安心してその力を発揮できる環境を築いています。多様な立場の人々が共に働きやすい介護の現場を創るための一つのモデルケースとして、広く注目されるべき試みといえるでしょう。