IDEA
毎日14時を知らせるきらめき
Writer:Yuko Shibata

感情環境デザイナーとして施設設計に参画されている杉本聡恵さんのアイデアです
高窓に設置した小さな仕掛け
看護小規模多機能居宅介護の施設の多目的トイレの高窓の内側に小さなミラーボールの連なりをつけました。毎日14時頃になると、窓から入った光がミラーボールに当たり、反射しながら優しいきらめきを映しだします。
上を向くと姿勢がよくなり、前向きな気持ちになると言われています。この施設では、末期の癌の方など、心や体の痛みと不安を抱えている方が多いので、一人でこもれるトイレで、ふと我に返る時に、それらが少しでも和らいでくれたら…という願いを込めて仕掛けました。
〜編集部より〜
室内で過ごすことが多い高齢者にとって季節感や時間の流れを感じられるのはとても大切。この施設では窓のささやかな仕掛によって、それを作り出すことに成功しています。ゆっくり光を眺めながら過ごせるように、座りやすい椅子が置かれていたり、反射光を眩しく感じることのないように、光が落ちる壁を落ち着いた緑色にするなど、仕掛けを楽しむために周辺の環境も整えられています。