IDEA
コントラストが支えるやさしいまちづくり
Writer:Yuko Shibata
色のコントラストで視覚情報を整理する
街中でも視覚障害者の安全な歩行を補助する点状ブロック[※1]。街中では、景観に配慮された建材の色との相性が悪く、点字ブロックが景色に紛れてしまい、本来の役割を果たせなくなることも。
画像は、歩道に敷かれたレンガ調ブロックと黄色い点字ブロック。点字ブロックの周囲だけ黒色のブロックで囲むと、色の差が大きくなり、点字ブロックが目立ちます。こういった色のコントラストを利用したデザイン手法は、高齢者施設のインテリアデザインにも活用されています。
福岡市が公開している「認知症の人にもやさしいデザイン手引き」[※2]は、その手法を詳細に解説しています。それによると、高齢者施設内で利用者に関係のある「トイレの扉」や「手すり」は、壁との色のコントラストを強くして視認性を上げ、逆に関係のない「事務室の扉」や「収納の扉」などのスタッフ用の設備は、高齢者が気にならないように壁とのコントラストを弱くしたりと、利用者がその施設で生活する上で必要な情報と不要な情報を、色のコントラストで整理するという、高齢者にやさしいデザインの手本となっています。
「認知症の人にもやさしいデザインの手引き」のダウンロードは➡️➡️➡️👭👬こちら👭👬
※1 正式名称は「視覚障害者誘導用ブロック」。30cm×30cmの大きさのタイルで、突起部分は高さ5mmと決められています。突起が複数ついたシート(ブロック)状になっているものと、突起だけを床に直接設置できるものの2種類の製品があります。
※2 この手引きは、認知症の人を含む多くの方が、より過ごしやすい環境を整える30のポイントをまとめたものです。認知症の人が居住されるご自宅や施設などだけでなく、外出さきなどの多くの建物で認知症の人にもやさしいデザインが取り入れられ、認知症の人が暮らしやすい環境の整備を促進することを目的として令和2年3月に策定しました。(福岡市HPより)